こんにちは。シーアです。(@seer1118b)
中1の長男が、突然、学校に行けなくなってしまいました。
不登校の原因は、これと決まったものがあるとは限りません。
きっかけや理由がはっきりしないままに、不登校になることもあります。
この記事では、小児神経科・児童精神科医に聞いた、原因がない不登校への対処法をまとめています。
- 学校に行こうとするとお腹が痛くなる
- 思春期のホルモンバランスと、小さなストレスの積み重ねが原因?
- 不登校の原因を必要以上に追求しても意味はない
- 「なんで?」「どうして?」は禁止
- 我が子と親自身がどうしたいかを考えよう
不登校の原因がわからないこともある
長男の不登校には、これといった原因がありません。
「お腹が痛い」という症状だけがあります。
- いじめはなく、友達とはうまくいっている。
- 学校の先生のことは好き。嫌いな人はいない。
- 嫌な出来事や、特別なきっかけはない。
- とにかくお腹が痛いと言う。
- 学校に行こうとすると拒否反応がある。
- 学校に行きたくないわけではない。
- 毎朝・毎晩「お腹が痛くなければ行く」と言っている。
不登校というと、親も、周りの大人も、理由やきっかけを探ろうとしてしまいがちです。
本人は、「お腹が痛いんだから、学校に行けないのは仕方がない」というスタンス。
「行かなくちゃ…」「なんでこうなったんだろう…」といった焦りを見せることは、一度もありません。
ですが、なぜこうなってしまったのか分からず、いちばん戸惑っているのは本人なんです。
不登校の定義や、理由のパターンについては、【不登校の定義と7つの理由】何日登校しなかったら不登校?複合的な理由が増加中に詳しく書いています。
思春期のホルモンバランスと、環境の変化がストレスに
中学校は、小学校とは環境が大きく変わります。
生徒数が増え、新しい人間関係ができ、ときにはトラブルも生まれます。
教科ごとに違う先生がいて、それぞれやり方も違うし、勉強そのものが難しくなります。
部活や学校行事も、初めての経験ばかり。
思春期は、大人への入り口といわれます。
ホルモンバランスが乱れやすく、自我の芽生える年頃で、人の目を過度に気にしはじめます。
発達途上で、まだ精神的に未熟な面がある中で、環境の変化に対応しようとして、メンタルがすり減っていったのかもしれません。
一見、矛盾したような言動をとることもあります。
自分を正当化したり、他者を責めたり…どれも甘えのひとつ。
はっきりとした理由や、きっかけとなる出来事はなくても、小さなストレスが心と身体に積み重なっていき、突然、頑張れなくなってしまった…
不登校の原因を必要以上に追求しても意味はない
私は、何事にも理由を求めてしまう癖があります。
世の中の物事には、必ず原因と結果がワンセットになっているものだ、と考えています。
ですが、心と身体のこととなると、そう割り切れることばかりではありません。
長男の発達のことで以前からかかっていた、小児神経科のお医者さんには、こう言われました。
本人も、理由が分からないから、余計にしんどい思いをしているのです。
そこへ、たたみかけるように「なんで?」と問い詰めても、プレッシャーをかけるだけ。
私には追い詰めたつもりはなくて、単純に疑問に思って発した言葉です。
でも、長男のナイーブな心には、曲がって届いてしまう可能性があります。
気持ちを言葉にするのが下手な子にかける言葉
もやもやした気持ちを、うまく言葉にできず、黙ってしまうことが多い長男。
彼なりに、「ママにこれを言ったら、こう反論されるかも」とか「絶対ダメって言われる…」などと考えて、言えなくなってしまうようです。
そんなときは、問い詰めても逆効果。
話してくれるまで、放置することも多々あります。
会話が成り立っているときは、「なんで?」の代わりに、「それって○○だから?」「たとえば、○○って思ったりするん?」と問いかけてみます。
こちらで理由を察して、答えやすいように変換してみるのです。
決めつけられていると感じると、途端に「どうせ俺のことなんて分かってくれない」とすねてしまいます。
思っていることがあっても、言ってくれなくなるので、言い方とタイミングが重要です。
不登校に原因がない場合の対処法3つ
いじめなど、直接的な原因がある場合は、適切に対処することが可能です。
でも、原因がわからないと、親も先生たちも、どうしたらいいのかわかりません。
私は、周囲の人の話をいろいろ聞いて、対処していっています。
発達のことで以前からかかっていた、小児神経科・児童精神科のお医者さんに聞いたことが参考になりました。
- 「お腹が痛い」という直接的な症状にフォーカスする
- サボりや怠けじゃないか、という疑念はいったん捨てる
- とにかく学校は休ませ、好きなことをさせて様子を見る
「お腹が痛い」という直接的な症状にフォーカスする
長男自身は、「自分はお腹が痛いから学校に行けないだけで、不登校ではない」という認識でいます。
逆に言うと、「お腹が痛くなければ学校に行く」ということです。
家にいる間は元気そうですし、土日は出かけたりもします。
その様子を見ていると、学校に行きたくないという気持ちから、腹痛を起こしていると感じますが、他の病気の可能性もゼロではありません。
まずは、先入観を捨てて、かかりつけの小児科など、普段の様子を知っているお医者さんに診てもらいましょう。
不登校だからというよりも、腹痛のお薬をもらうこと。
病気が見つからず、感染症などの原因がなかったら、次に精神的なものを疑うと良いでしょう。
そのお薬を飲みきっても、まだ治らないので、やっぱり心因性かな…。
それでも、子どもの不調の訴えを聞き入れて、対処しようとする親の姿を見せられたのは、意味があったと思っています。
サボりや怠けじゃないか、という疑念はいったん捨てる
長男は、学校や塾にさえ行かなければ、家ではゲームをし放題で、元気にしています。
会話もあるし、笑っているし、犬の散歩には行くし、弟をいじめたりします。
ですが、そんな最中でも、「今、お腹痛い?」と聞けば「痛い…」と言います。
学校のある日の朝は、「お腹が痛くて行けない」と。
家で寝込んでいるなら、まだ理解できるけれど、そういうわけではありません。
- サボりたいだけじゃない?
- 学校、頑張れば行けるんじゃないの?
- 学校を休むなら、ゲームはしないでほしい。
こう思ってしまいますし、実際、最初は何度もそう言ってしまいました。
小3の次男が、学校から帰ってきても、長男はゲームを譲りません。
それどころか、次男に向かって「宿題やってからゲームやれよ」などと指示までします。
これだけ見ていると、全然共感できないんだけど、彼のこれまでのストレスを発散しているのかもしれないと考えることにしました。
少なくとも、彼自身が、このまま学校に行かなくてもいいとは思っていないことが分かったからです。
このままじゃいけない、と思っているのに、身体が言うことを聞かないから、自分の思うがままに振る舞える、家庭やゲームの世界に逃げているのかも。
注意するときは、「ゲームは1時間毎に交代して」など、なるべく事実ベースの言葉を選びます。
不登校を引き合いに出したような言葉…たとえば、「あなたは昼間に遊んでるんだから代わってあげて」とか「弟はちゃんと学校に行っているのに」などは、言わないようにしています。
とにかく学校は休ませ、好きなことをさせて様子を見る
最初は、こんな言葉をかけて、何とかして学校に行かせようとしていました。
- 遅刻してもいいし、早退してもいいよ。
- 保健室登校でもいいよ。
- 校門前までついていこうか?
- 学校が無理でも、塾だけでも行ったら?
それもそのはずで、人からどう思われるかを気にするお年頃の長男が、受け入れられるはずもないことでした。
「友達に、サボってると思われてるんじゃないか」「本当にお腹が痛いだけなのに」「人と違うことをして、注目を集めるのは恥ずかしい」
本音ではそう思っているのに、身体が言うことを聞かないから、本人の意志に反して、学校に行けない…。
だから、もう何も言わずに、気が済むまで学校を休ませることにしました。
学校に行かない間の行動も、特に制限しません。
親から見ると、ゲームとYoutubeばかりで、無為に過ごしているようで、やきもきしてしまいます。
しかし、長男には、学校に行く・勉強をする・全てにおけるエネルギーが不足している状態。
彼にとっては、ゆっくり充電する時間が必要なんだととらえることにしました。
目の前の子どもと、親自身はどうしたいか考えよう
不登校にはさまざまなケースがあり、ここに書いていることは我が家の一例です。
ネット上のどの記事にも、あなたのお子さんのことは書いてありません。
世間の人がよく口にする言葉や、ネットで検索すると出てくる記事の中には、当てはまらないことや、賛同できないこともたくさんあるはず。
だから、結局は目の前の子どもと、自分自身がどうしたいかを考えるしかないんです。
たとえば、私はこういう言葉を見てうんざりしました。
- 不登校は親の愛情不足
- 親が無条件に味方でいてくれることが大事
- 学校に行けなくても子どもを受け入れよう
- 学校だけが全てじゃない
親を責めたり、後悔させたりして、解決しようとする風潮は大嫌いです。
親だって、人間です。いつも、教科書通りの対応ができるわけじゃありません。
誰かの意見を参考にするのはいいけれど、その通りにできない自分を否定しないでください。
長男には、楽しく元気に学校に行ってほしい
「学校なんて必要ない」「学校に行かなくても生きていける」という人もいるけど、私はそうは思いません。
義務教育ほど、バランスよく幅広い教養を身につけられる手段は、他にありません。
もし、長男に、「これ1本で生きていく」と決められるくらい才能のある何かが見つかったなら、話は別です。
だけど、今の長男には、やりたいことも何もありません。
そして、何より、本人が学校に行きたいのに行けない状態なのは、よくないと思います。
私は、長男に、楽しく元気に学校に行けるようになってほしい。