保険は、人生の中でも1・2を争う大きな買い物と言われています。
家計をスリム化しようと思ったら、保険を見直すことは避けて通れません。
将来のお金や健康が不安だから…と、高額な保険に入っている人も多いはず。
でも、毎月の保険料が家計を圧迫しているケースって、想像以上に多いんですよ。
必要な保障を見直して、適切な保険にだけ入りましょう。
ファイナンシャルプランナーの方に教えていただいた方法と、我が家の実例を交えてご紹介します。
保険は人生で1・2を争う大きな買い物
もともと、我が家は全然保険に入っていませんでした。
結婚した当初は、夫27歳・私23歳。
若かったし、お互い派遣社員だったのでお金もなかったのです。
子どもができるまでは、そう大きな保障もいらないし、その頃には収入が安定しているだろうという考えでした。
この度、ファイナンシャルプランナーの方にも相談して、保険の見直しが完了しました。
とてもわかりやすい考え方で、納得のいく選択ができましたよ。
我が家が入っていた保険
まずは、見直し前に我が家が加入していた保険を紹介します。
- 夫の収入保障保険…メットライフ生命の「マイディアレスト」 月3,140円
- 家族4人分の医療保険…コープ共済の「たすけあい」 月6,170円
- 私の医療保険…損保ジャパンの「フェミニーヌ」 月8,555円
夫の収入保障保険は、もし夫が亡くなったら、夫が稼ぐはずだった収入の一部を保障するもの。
保障期間は20年で、万が一のときに月20万円の支給。
長男が生まれた当初に、子どもが成人するまでということで、この保障期間にしました。
若い頃に加入したため、月々の金額も安く、条件は良いもの。
家族の医療保険は、コープ共済。
私と夫は2000円ずつ、子どもたちはジュニアコースの1000円ずつ。
加えて、個人賠償責任特約として、170円追加しています。
保険契約者が何かの不手際や事故で、他人の物を壊したり、ケガをさせてしまった場合に保険金が下りるもの。
例えば、子どもがお友達の家にお邪魔して、お家のものを壊してしまったなど、故意ではなくてもありうること。
1事故あたり1億円までと、かなり手厚い保障が受けられます。
相手との関係性の面でも、お金のせいでギクシャクしたくありませんし、これは良い保障だと思います。
一時の気の迷いで加入した、私個人の医療保険。
これはもう、結構前から解約しようと考えていました。
3年に1回受け取れる、生存給付金15万円をもらってから解約しようと計画中。
公的保障でカバーできる部分もある
日本の社会保険はとても優秀で、誰もが手厚い保障を受けられます。
民間の医療保険や死亡保険がなくても、かなりの範囲をカバーしてくれます。
配偶者が亡くなったとしても、「遺族年金」の制度があります。
夫が亡くなった場合、私が亡くなった場合、それぞれ公的保障ではいくらもらえるでしょうか。
遺族年金|夫が亡くなった場合
もし、今夫が亡くなったとして、私と子どもたちはいくら遺族年金を受け取れるのでしょうか。
夫の年収は420万円(標準報酬月額35万円)のサラリーマン。18歳未満の子どもが2人います。
厚生年金の加入期間が300ヶ月(25年)以上ないと、本来は支給対象外です。
救済措置として、300ヶ月未満の加入者も、300ヶ月加入したとみなして支給されます。
もちろん300ヶ月以上加入している方は、自分の加入月数で計算できます。
遺族基礎年金122万7900円+遺族厚生年金57万6794円
=180万7694円(月額15万641円)
子どもが18歳になると、上記から遺族基礎年金の122万7900円がなくなります。
その代わり、中高齢寡婦加算という制度で、65歳までは年間59万円がもらえます。
これは、遺族基礎年金がなくなったときに、妻の年齢が40歳を超えていれば対象。
きっと、私は仕事を続けるだろうし、自分の収入に加えて月15万円もらえるなら、かなり余裕があるのではないでしょうか。
しかも、夫が亡くなれば、住宅ローンも団信(団体信用保険)でチャラになるし、借金も返さなくてよくなります。
遺族年金|妻が亡くなった場合
夫婦共働きの世帯で、妻が亡くなった場合も、遺された夫と子どもたちに遺族年金が支給されます。
夫が亡くなったときとの違いは、中高齢寡婦加算がないこと。
それと、遺族厚生年金をもらうには、私が亡くなったとき夫が55歳以上である必要があります。
65歳になったら、夫は自分自身の老齢厚生年金を受給資格を得ます。
遺族厚生年金との同時受給はできないので、どちらかを選ぶことに…。
老齢厚生年金の方が金額が大きいので、遺族厚生年金はもらわないケースが多いそうです。
遺族基礎年金122万7900円(月額10万2325円)
遺族基礎年金は、子どもが18歳になればもらえなくなります。
中高齢寡婦加算がないため、子どもが大学などでいちばんお金のかかる時期に、夫ひとりの収入でやっていかなければなりません。
しかも、私が亡くなっても、住宅ローンは夫名義なので関係ないし、借金の返済義務も残ります。
考えれば考えるほど、夫が亡くなった場合よりも、私が亡くなったときのほうが厳しい…。
私が亡くなる可能性は低いとは思うけれど、絶対ないとはいいきれません。
民間の保険で備える必要があります。
必要な保障は、4パターンに分類して考えよう
まず、この4パターンに分けて、必要なお金・いらなくなるお金を考えます。
- 夫が亡くなった場合
- 夫が就業不能になった場合
- 妻が亡くなった場合
- 妻が就業不能になった場合(共働きの場合に限る)
まず、亡くなった場合はシンプル。
前述の通り、夫が亡くなったときは、妻に対する手厚い遺族年金と、各種ローンがチャラになるおかげで、かなり余裕ができます。
夫の生活費もかかりませんし、私が働き続ける限り、子どもの学費等の貯蓄も問題ないでしょう。
ローンと借金の返済に加えて、子どもの学費のためにも備えなくてはなりません。
とはいえ、夫の収入はありますので、すぐに困窮することはないでしょう。
就業不能の場合は、生きているので、生活費等はかかります。
もしかしたら、介護が必要になるなど、生きているからこそ必要になるお金も出てくるかも(嫌な言い方ですが)。
その上、各種ローンの支払いも必須です。
我が家が選んだ収入保障保険・使わなかったら全額返ってくる医療保険
上記を踏まえて、我が家が選んだ保険をご紹介します。
保険料は年払いで支払っており、下記の月額料金は、単純に年払いの金額÷12ヶ月です。
実際の月払いの金額とは異なりますので、ご了承下さい。
死亡時・就労不能時の両方カバーできる「収入保障保険」
死亡時と就労不能時、どちらも月額給付がもらえる保険です。
- 夫…月8万円の給付 年額4万2496円/月3541円
- 私…月5万円の給付 年額1万8125円/月1510円
理由は、私の方が、月々の収入が低いので影響が小さいから。
それと、私名義の貯蓄や投資を子どもの学費に当てることができるから。
夫のほうが、保険料が高くなっているのは、年齢が上なのと、喫煙歴があるから。
次男の年齢(8歳)に合わせて、ふたりとも保障期間は12年にしました。
払い込んだ保険料のうち、使わなかった分を払い戻してくれる医療保険
保険金を使った分だけ差し引いて、使わなかった分の保険料が全額返ってくる医療保険に加入しました。
- 夫…年額5万557円/月4213円
- 私…年額4万4472円/月3706円
基本的に、私たち夫婦は健康なので、医療費の備えはいらないかな~とも思っていました。
医療保険に入っていても、使わなければ損なんじゃないかと。
その点、この保険は、使わなくても返ってくるだけなので、無駄がないというのが決め手。
もちろん、もし病気やケガになって、払い込んだ金額以上の保障が必要なときは、その分ちゃんと保険金がおりますよ。
解約する保険|月1万5000円の節約
- コープ共済 月ー4,000円
- メットライフ生命 月ー3,140円
- 損保ジャパン 月ー8,555円
- 計 1万5695円の節約
コープ共済のうち、私と夫の加入分は解約します。
子どもたちは、骨折したとか、おでこを切って縫ったとか…何かと活用しているけど、私たち大人は加入してから13年間一度も保険のお世話になっていません。
いくら安いとは言え、月4000円×12ヶ月×13年間=62万4000円も支払っていることに…。
また、メットライフ生命の「マイディアレスト」、夫の収入保障保険も解約します。
月20万と保障は手厚いのですが、亡くなったときでないと保険金がおりません。
就労不能になっても、もらえないのです。
それに、亡くなってしまえばローンや借金がチャラになるので、月20万円も必要ないでしょう。(もらえたら嬉しいけど)
また、損保ジャパンの「フェミニーヌ」、私の女性向け医療保険は、次に15万円の生存給付金をもらったら解約します。
代わりに新たに契約した保険は、月1万2970円ですが、うち7,919円の医療保険は、使わなければ返ってくるお金。
実質、月5,051円で必要なところにだけ必要な保障を備えることできました。
保険に加入する必要がないのはこんな方
我が家は、これから学費のかかる子どもがいて、夫婦共働きで成り立っているので、収入減に備えないといけません。
ですが、世の中には、保険が必要ない方もいます。
- 夫婦のみのDINKS世帯
- 独身で扶養家族がいない方
いずれも、子どもや老親などの扶養家族がいないのであれば、必要ありません。
前述の「遺族年金」「障害年金」「傷病手当金」「高額医療費制度」など国の公的支援をフル活用すれば、不測の事態があっても対応できます。
保険会社は、不安を煽るようなことを言いますが、自由に使えるお金が100万円程度あれば、ある程度何かが起こっても大丈夫。
その分、貯金や投資に回せば、あっという間に100万円くらいの資産はできるはずですからね。
公的保障があっても足りない部分だけ、民間の保険に入ろう
一昔前は、結婚したら(社会人になったら・子どもができたら)それなりの保険に入って、万が一に備えてこそ一人前、みたいな感覚でした。
私たちの親世代は、高度成長期にその常識で生きてきた世代。
保険に過度な信頼感を抱いている人も少なくありません。
昔より今のほうが、サラリーマンの社会保障費は多く天引きされているし、当たり前のようで手厚い公的保障でがあるのです。
公的保障があっても足りない部分にだけ、民間保険でのサポートを考えましょう。
「よくわからないけど、不安だからとにかく保険に入っている」という人は、ぜひ自分の収入や家庭環境に当てはめて考えてみて下さいね。
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