こんにちは。シーアです。(@seer1118b)
子育て中の方は、一度は「我が子の発達、これって普通かな?」「他の子と比べて、ちょっと発育が遅い気がする」と悩んだことがあるはず。
赤ちゃんの頃の、寝返り・立った・歩いた…などは、見た目にもわかりやすいものです。
しかし、学習面はどうでしょうか。
我が家の長男は、発達障害・学習障害の傾向があります。
その中でも、ディスレクシアといって、文字の読み書きが極端に苦手でした。
- ディスレクシアとは?
- 勉強だけではない、子育てへの影響
- 支援学級・ことばの教室などの療育体制
- 学校の先生との協働
- テストの点数で評価される日本社会
この記事は、子どもの学力、特に文字の読み書きスキルにお悩みの方に向けて書いています。
「こんなケースもあるよ」という一例をお伝えしたいです。
長男は、ディスレクシア(識字障害)傾向あり
長男は、学習障害(LD)の傾向があります。
学習障害の中にも、さまざまなタイプがあります。
長男の場合は、文字の読み書きが極端に苦手な、「ディスレクシア(識字障害)」に近いと診断されたことがありました。
学習障害(LD)は、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じる発達障害のことです。
LDにはディスレクシア、ディスグラフィア、算数障害などさまざまなタイプがあり、また人によって症状の現れ方も違うので、診断が難しい障害でもあります。
よく、未就学児は、小学校への進学準備で「自分の名前の読み書きができればOK」と言われます。
しかし、実際には、早い子は3~4歳で文字を読んでいたりします。
長男が、保育園の年長さんの頃、周りのお友達は、すでにお手紙交換などの簡単なひらがなの読み書きをしていました。
一方で、長男は、自分の名前すらなかなか読めるようになりませんでした。
その時は、よくある慰めの言葉を鵜呑みにしていました。
小学校に進学すると、1年生でひらがなを習い始めます。
やはり、なかなか覚えられません。
ひらがなを点線にそってなぞるだけの、簡単なプリント1枚の宿題に、2時間以上かかる毎日でした。
発達検査(S-M社会生活能力検査)を受ける
入学してから、徐々にひらがなの読み書きはできるようになってきていました。
本人なりには成長していましたが、学校の授業の進み具合には、とても追いついていない様子。
夏休み頃、担任の先生の勧めで、子どもの発達相談センターを紹介され、発達検査を受けました。
S-M社会生活能力検査というものです。
社会生活能力を「自立と社会参加に必要な生活への適応能力」と定義し、子どもの日頃の様子から社会生活能力の発達を捉える検査です。知的障害や発達障害などの特徴をもつこどもたちの指導への手がかりが得られます。
- 検査者が子どもを直接検査するのではなく、子どもの日常生活をよく知っている保護者や担任教師が回答します。
- 質問項目は発達年齢段階ごとに分かれていて、129項目で構成されています。
- 回答結果をもとに社会生活年齢(SA)と社会生活指数(SQ)が算出できます。
- SAはそれぞれの領域別に求めることができます。 プロフィール欄へ領域別SAを描くことで、子どもの社会生活能力の特徴を視覚的に捉えることができます。
私が、日々の生活で長男を見ている視点で、質問項目に答えていきます。
ひとつひとつ「できる」「できない」に印をつけていくのですが、長男の当時の年齢(6歳6ヶ月)相応の項目は、「できない」だらけという結果に。
例えばこんな設問です。
- 必要に応じて自分から電話をかける
- 友達に年賀状を自分で書いて送れる
- 大人同士の話し合いなどでも、1時間くらいなら静かに座っていられる
- ものの金額や用途を見て、必要に応じたものを選んで買うことができる
検査の結果、学習障害(LD)の傾向があると診断されました。
努力しても報われないから、余計勉強が嫌いになる
長男は、見た目は健康そのものです。しゃべったり走ったり、普通にしています。
学習障害は、白黒はっきりつけられる、明確な障害ではないので、見過ごされがち。
能力的に、同学年の他の子より難しい面があるのは明らか。
勉強して、すぐに「わかる」「できる」という実感が得られたら、きっと楽しいでしょう。
長男は、勉強しても、なかなか理解できないし、覚えられない。習ったことも、すぐに忘れてしまう…。
こんなことの繰り返しでは、「自分なんてバカだ」「何もできない」と、自信を失ってしまいます。
私も、長男に勉強を教えていると、全然覚えられないので、虚しさを感じてしまいます。
彼自身は、そんな虚しさを、さらに感じているのかも…。
勉強が苦手なのは、本当に発達障害のせいなのか
宿題のサボりがひどかった時期もあります。【2.宿題サボり編】発達障害・ディスレクシア傾向…でも勉強をしなくては未来は開けない。
私は、だんだん疑問に感じてきてしまいました。
つい、良くないと分かっていながらも、こんな言葉を言ってしまいます。
- やればできるはずなんじゃない?
- 覚えられないのは、本気で覚えようと思っていないからでは?
- もっと真剣に、真面目にやりなさい!
実際、発達障害だからといって、勉強が免除されるわけではありません。
成績や、テストの点数で、平等に評価されます。
他に、スポーツ・芸術・お芝居のような、素晴らしい才能がある人なら、そちらで生きていけるのかもしれません。
しかし、長男が、学力以外の何かで、目覚ましい能力があるのかどうか、私にはわからない。
これから、夢中になれるものを見つけて、才能が開花してくれればいいけど…。
どんなに苦手でも、勉強だけは避けるわけにいかないのが、悩ましいところ。
「ことばの教室」への通級。どんな療育がベストかわからない日々
診断がついてからは、国語の授業だけは支援学級に通級して、個別で指導を受けてきました。
「ことばの教室」という、言語に関する特別な指導のできる支援学級に通うことを勧められました。
ことばの教室は、限られた小学校にしかなく、うちの地域の小学校にはありません。
そこで、約2年ほどの間、別の地域の小学校の「ことばの教室」に、長男を連れて行っていました。
月1~2回くらいの頻度でした。
本当は、「週1回は来てほしい」と言われていましたが、これ以上仕事は休めません。
それに、移動時間が片道40分くらいかかります。
その間、通常の授業を受けることができていないわけです。
発達検査をする機関の方も、ことばの教室の先生も、担任の先生も、「決めるのは親御さんです」というスタンス。
つまり「ことばの教室には行かない。教室で他の子と一緒の授業を受けさせる」という選択肢もあるということ。
本人は当時小1なので、今のラクさ・楽しさが優先。先々まで考えることはできません。
だから、本人の意向を尊重することがベストとも限りません。
親としての責任の重さに押しつぶされそうでした。
こういう本をたくさん読みました。でも、正解は誰にも分かりません。
発達障害は、親のしつけや愛着不足のせいではない
発達障害というと、親の愛情が足りなかったのではないかとか、しつけが悪かったのではないかなどという人もいます。
そういった言説は、医学的に否定されています。
絵本の読み聞かせは良いこと。だけど「治る」わけじゃない
私は、昔から絵本が好きです。好きすぎて、「絵本講師」という民間資格まで取ったほど。
赤ちゃんの頃から、我が子達にもたくさん読み聞かせしました。
子どもが読み書き苦手と聞くと、「絵本の読み聞かせをしなさい」と勧めてくる人もいます。
絵本の読み聞かせは、語彙力のアップ、愛着形成、想像力を育む、などなど良いことがいっぱい。
親子の絆を育むことができるし、純粋に楽しいです。
しかし、絵本の読み聞かせで、発達障害やディスレクシアが「治る」ようなものではないのです。
マンガのおかげで、文字の読み書きが劇的に改善
長男の成長に伴い、苦手だった文字の読み書きも、徐々にマシになってきました。
コロコロコミックなど、マンガのおかげでもあります。
絵の動きと文章がセットになっていることが、彼にとっては良かったようです。
女性で三国志が好きという人はあまり周りにいないのですが、私はめっちゃ好きです(笑)。全巻読みました!
私が絵本が好きだからといって、長男にも絵本が合うとは限りません。
彼自身が、文字を習得するために、最適だった手段が、マンガだったということです。
支援学級は卒業。普通学級で勉強できるように。
小学校6年生の前半頃で、支援学級に通うのは辞めました。
本人が「教室にいて、みんなと勉強してても、ちゃんと分かるから大丈夫」と言ったこと。
そして、担任の先生が、こう言ってくれたからです。
グループで意見を出し合って、まとめて発表する授業が増えたので、1回いないと、次からも輪に入りづらくなりますし。
それに、支援学級には、身体に重篤な障害のある子や、落ち着いていられなくて暴れたりしてしまう子もいます。
長男自身にもプライドがあるので、「俺はあんなんじゃない」という意識は、ずっと前から持っていました。
勉強ができると、選択肢が広がる
長男の勉強嫌いは現在進行形ですが、サボることはほとんどなくなりました。
とはいえ、ポジティブに頑張っているかというと、微妙…。
少なくとも、やらなきゃいけないとは思っているようです。
それは、小学校5年生・6年生の頃の、担任の先生の影響が大いにあります。とても熱心な、いい先生なんです。
中学校進学にあたり、子どもたちにこう話してくれたそうです。
テストの点数で、内申が決まって、行ける高校が変わったりする。自分で頑張らないといけないよ。
こうも言ってくれました。
それは、先生もお父さんお母さんも応援するよ。
でも、勉強が苦手だから、逃げたいからやらないのはダメ。
やりたいことが決まってないなら、とにかく勉強しときなさい。勉強しておけば、できることが広がる。やっといて損はない。
それで、もし、『やっぱり美容師さんになりたい。勉強なんていらなかったわ』ってなっても、やったことは絶対に無駄にならないから。
本当に尊敬できるいい先生なんです。
中学生になった今、この先生と同じくらい、長男に向き合ってくれる先生とは出会えていません。