こんにちは。シーアです。(@seer1118b)
会社で、確定拠出年金があると言われても、ピンと来ない方は多いでしょう。
老後なんてまだまだ先だし、投資ってちょっと怖い!と思いますよね。
自分の意志で「確定拠出年金に入ろう!」と決めたわけではないのに、会社に制度があるというのは、人によっては面倒に感じるかもしれません。
ですが、企業型確定拠出年金は、特別なことをしなくてもお得になる制度なんです。
この記事では、とっつきにくいと思っているあなたに、確定拠出年金のメリットと、上手な使い方をお伝えします。
企業型確定拠出年金とは、自分で作る退職金のようなもの
私が勤めている会社では、企業型確定拠出年金を導入することになりました。
企業型確定拠出年金は、導入している企業に勤めていないと、加入できません。
中小企業にも徐々に広がってきましたが、まだまだ導入していない企業も多いです。
確定拠出年金ってそもそもなんなの?という方に、一言で説明するなら、「自分で作る退職金のようなもの」です。
会社の退職金って、原資はいろいろです。私の勤務先では、中小企業退職金共済があります。
それとは別に、確定拠出年金では、あなたのお給料から一定の金額を取り分けて(または確定拠出年金用に別途資金を渡されて)、「退職時まで自分で運用してね」と言われるようなものです。
おトクになる秘密は、掛金や利益が「非課税」だから
なぜそんなに確定拠出年金がオススメかというと、掛金がさまざまなタイミングで非課税になるからです。
- 掛金の拠出時
- 投資の利益が出た時
- 60歳以降の受け取り時
もし、確定拠出年金をしないで、お給料として今受け取ったら、そこからは税金が引かれます。
所得税・住民税・社会保険料・厚生年金…いつも、給与明細を見たら、引かれているアレです。
そうなると、だいたい20〜30%くらい目減りするんです。(詳細は年収や控除などの条件によります)
お給料の額面と、手取りに差があるのと同じこと。確定拠出年金は、非課税なので、「お給料の額面」の金額が、そのまま拠出できるんです。
転職しても、会社がつぶれても、積み立てた確定拠出年金は減らない
確定拠出年金の大きなメリットは、勤務先の会社を退職・転職するときにも、積み立てた金額には影響しないということです。
退職金は、会社の都合で支給額が左右される場合もあります。でも、確定拠出年金は、景気が悪くなっても、減らされることはありません。
退職したり、結婚して専業主婦になっても、積み立てた資金は守られます。
特に、現代は、新卒で就職した会社に、定年まで勤め上げるということは稀です。キャリアチェンジ・キャリアアップで、転職をする可能性は、誰にだってあります。
そんな時も、コツコツ積み立てた確定拠出年金は、あなたのもの。これって、心強いですよね。
転職で、企業型確定拠出年金がないところに勤める場合は、手続きが必要です。詳しくは、企業型確定拠出年金は、転職・退職したら個人型(iDeco)に切り替えよう。期限は6ヶ月!をご覧ください。
個人型確定拠出年金(iDeCo)との違い
確定拠出年金には、企業型の他に、個人型もあります。こちらはiDeCo(イデコ)と呼ばれています。
ふたつの確定拠出年金にはこれらの違いがあります。
- 会社が契約した金融機関にしか加入できない
- 掛金や導入ルールは会社の規定による
- 口座管理手数料は会社負担
うちの会社の場合は、三菱UFJ信託銀行の確定拠出年金を導入しました。
企業型の場合は、個人が金融機関を選ぶことはありません。
たとえ私が、他の証券会社にしたいんです!と主張しても、会社が決めたところに入るしかないです。
会社に規定されたルールが、様々あるのも特徴です。
私の友達の会社は、全社員が必須で確定拠出年金に加入して、給与天引きで上限金額めいっぱいまで掛金に回す、と決まっているそうです。
うちの会社は、加入する・しないを、社員それぞれが選択できます。会社によって本当に全然違うので、一概に解説しにくいものです。
また、個人型の場合は、金融機関によって口座管理手数料が必要なところもありますが、企業型の場合は、手数料が会社負担です。
手数料がかかると、その分利益が出ても食いつぶされてしまうので、少額でも地味に嬉しいですね。
初心者でもできる!あなたの志向に合わせた運用方法2パターン
さて、確定拠出年金が始まったら、「資産配分を決めなさい」と言われます。つまり、掛金でどの商品に投資するかを選ぶのです。
開設した確定拠出年金用の金融機関(信託銀行など)によっては、マイページがあり、オンラインで設定することができます。
アナログな企業だと、書類に運用指図を記入して、総務が回収したりするみたいです。
リスクが大きいもの順に並んでいます。「リスクが大きい」というと、怖いイメージがあるかもしれませんが、実は私のおすすめ順でもあります。
- 先進国株式インデックスファンドに投資する
- 8資産バランス型の投資信託を買う
- 定期預金にする
ここでは、わかりやすくするために、3択にしています。
もちろん、掛金のうち半分を①の海外株式インデックスファンド、残り半分は③の定期預金…などの組み合わせも可能です。
ですが、初心者向けに、あまりいろいろな商品に手を出さず、あえてシンプルにしています。
パターン1 先進国株式インデックスファンドに投資する
海外株式、その中でも先進国(アメリカなど)の株式の詰め合わせセットが「先進国株式インデックスファンド」です。
三菱UFJ信託銀行の商品では、「三菱UFJ海外株式インデックスファンド」がそれに当たります。
おそらく、どこの金融機関のラインナップでも、同様の商品があるはずです。
インデックスファンドは、市場の平均点を取りに行く投資信託なので、1社の株よりも値動きがマイルドです。
もし、似たような商品がいくつかあるようなら、その中で最も「信託報酬」が低いものにしましょう。
三菱UFJ海外株式インデックスファンドの場合、信託報酬は0.2268%です。
いちばんオススメとした理由は、普段お給料などで手にしているお金が日本円だからです。
先進国に投資をするということは、通貨がドルの世界です。日本円だけに頼らないで、分散投資をすることで、リスクヘッジになりますよ。
ですが、この選択肢3つの中では、株式オンリーのインデックスファンドは、若干リスク高めとしています。その分、増え幅も大きいんですけどね。
パターン2 8資産バランス型の投資信託を買う
二つ目の選択肢は、バランス型の投資信託を買い付けることです。
バランスファンドには、いくつかの種類があります。中でも、「8資産均等」といった名称のものがおすすめです。
三菱UFJ信託銀行の商品では、「三菱UFJプライムバランス(8資産)」があります。
日本・先進国・新興国の株式・債券、そして国内外のREIT(不動産)。この8つの資産に、均等に掛金を投資します。
特徴としては、それぞれが違った値動きをすること。どれかが下がっても、どれかが上がったりして、大きくアップダウンしないように補い合っています。
インデックスファンドよりは、信託報酬が高めのものが多く、三菱UFJプライムバランス(8資産)の信託報酬は、0.3456%です。
ですが、1つのファンドで8つの資産に分散できるので、リスクも分散できるのがメリットです。これひとつで完結できるのがうれしいですね。
パターン3 定期預金にする
投資は、元本保証ではないので、どうしても元本割れのリスクはあります。
「投資はちょっと怖いからやりたくない」「絶対に、1円も損をしたくない」という方もいらっしゃるでしょう。
そういう方は、定期預金にしておくのも、ひとつの手段です。どの金融機関にも、必ず定期預金はあります。
利率は低いので、お金はほとんど増えません。ですが、非課税のおかげで、絶対にお得にはなっています。
もし、慣れない投資に、ドキドキ・ヒヤヒヤしてしまうなら、無理に投資をしなくてもよいのです。あなたが、精神的に安心できることがいちばんです。
とはいえ、①②の投資信託で、20年積み立て続ければ、ほとんどのケースでプラスにはなると思いますけどね。
投資に興味が出てきたら、確定拠出年金の初心者向けガイドブックを読んでみよう
確定拠出年金で投資信託を買うと、その値動きをチェックしているうちに、だんだん投資に興味が湧いてくるかもしれません。
「投資のことをもっと知りたい!」と思うようになったら、ネットで調べたり本を読んだりして、勉強すると良いでしょう。
企業型確定拠出年金についての書籍は、あまりないのが現状です。会社によって、ルールが違ったりするので、解説しにくいのだと思います。
投資については、個人型(iDeCo)も同じなので、イデコ関連の本も読みましたよ。
ですが、「投資のことを勉強しなくちゃ」と思うあまり、確定拠出年金そのものが面倒になってしまったら、元も子もありません。あくまでも、気が向いたらで大丈夫です!
確定拠出年金は、自分で自分の老後を豊かにするための手段
公的年金の制度は、破綻していると言われて久しいです。「自分たちの世代は、年金がもらえないんじゃないか?」という不安は、みんなありますよね。
いきなり年金がゼロになる、なんてことはないと思いますが、確定拠出年金で備えておくに越したことはありません。
「自分だけのための年金がある」という安心感は大きなものです。
確定拠出年金は、60歳になるまで、掛金を取り崩すことができません。
それがデメリットと言われていますが、それって退職金も同じですよね。例外的に、定年前に辞めれば退職金はもらえるけれど、金額は大きく下がるでしょう。
ですので、先取り貯金と同じで、「最初からなかった」ものとして扱って、粛々と積み立てましょう。
それが、きっと将来のあなたを助けてくれるはず!