こんにちは。シーアです。(@seer1118b)
2020年に、所得税改革が行われます。
「ニュースでちらっと聞いたけれど、まだまだ先のことだし…」とか「よく分からないから、まあいいや」と思っている方が多いと思います。
この記事を読めば、具体的に、庶民の暮らしにどう影響が出るのかが分かりますよ。
今から対策を考えておくことで、心の準備ができますね。
2020年から、所得税が変わる!
2020年〜所得税率の改革が合意に至ったとニュースになっていましたね。
まだ猶予がありますが、きっとあっという間に過ぎてしまうのでしょう。
要約すると、年収800万円を超えるサラリーマンを中心に増税となります。
一方で、子育て世帯は増税とならないように工夫がされています。
所得税改革の基本内容は「所得控除」「基礎控除」の見直し
今回の所得税改革は、大きく分けて、このふたつが要点です。
- 給与所得控除の見直し
- 基礎控除の見直し
給与所得控除の見直し
サラリーマンなどの給与所得者が、額面の収入から差し引くことのできる控除が「給与所得控除」です。
- 収入ー給与所得控除ー基礎控除=所得
- ※この「所得」から、所得税が計算される
同じ収入でも、給与所得控除が大きい方が、少ない所得から税計算されるので、手取りが増えます。
逆に、給与所得控除が縮小されれば、税計算上の所得が多くなることで、所得税や住民税などの税額が高くなります。
今回の改革ポイントは3つ。
- 給与所得控除の上限額を引き下げる 現状:年収1000万円→改定後:年収800万円
- 給与所得控除を一律で10万円削減
- 1.は、子育て世帯(22歳以下の子どもがいる世帯)は適用外
基礎控除の見直し
さらに、基礎控除は、サラリーマンだけでなく誰もが受けられる控除です。上記の式でいうと後半の部分。
- 収入ー給与所得控除ー基礎控除=所得
- ※この「所得」から、所得税が計算される
ここでも、額面収入からの控除があります。
自営業の方などは、給与所得控除は対象外ですが、基礎控除は誰でも受けられます。
サラリーマンなら両方適用です。
- 基礎控除を10万円増やす
- 所得が2400万円を超えると基礎控除は段階的に縮小。2500万円で0に
前述したように、給与所得控除は一律10万円削減されることになりますが、基礎控除で10万円増えるため、これでプラマイゼロです。
ということは、両方が適用になれば、税額は増減なしです。
「2.所得が2400万円を超えると…」は、私には関係ないですね。
…と言いたいところですが、年収2500万円を超える人って、実は15万人もいるそうです。
具体的な影響は? 手取り収入はどうなるの?
サラリーマンや公務員など給与所得者は、増税となる人、変わらない人がいます。
一方で、フリーランスや自営業の方などは、よほど所得が高くない限り、基本的には減税となります。
増税となる人 |
年収800万円以上で、22歳以下の子どもを扶養していない人 |
年金以外に1000万円以上の高額所得がある高齢者 | |
変わらない人 | 年収800万円以上で、22歳以下の子どもを扶養している人 |
年収800万円以下の人(パート等含む) | |
減税となる人 | 所得が2400万円以下のフリーランス・自営業の人 |
それぞれ、どういうケースがあるのか見ていきましょう。
増税となるのはどんな人?
まず、今回の改革が最も痛手となる、増税される層について見ていきましょう。
年収800万円以上の独身者・DINKSの方
年収が800万円以上で、独身または子どもがいない方は、給与所得控除の上限額引き下げにより、増税となります。
- 現状:1000万円(控除額220万円)→改定後:800万円(控除額200万円)
年収800万円以上1000万円以下の人は、0~20万円分の所得控除がなくなることになります。
実際にどれくらい税負担が増えるのかは、他の控除の有無によって異なりますが、財務省の試算では、年間の増税額は下記となります。
- 年収850万円:1.5万円増税
- 年収900万円:3万円増税
- 年収950万円:4.5万円増税
- 年収1000万円:6万円増税
- 年収1500万円:8.6万円増税
対象者は、公務員も含めると約300万人になるそうです。
まあこちらも私には縁のない世界なわけですが、税金を取れるところから取ってやろうという意思を感じてしまいますね。
年金以外に高額所得がある高齢者
年金以外に、高額所得がある人も増税になります。
所得の金額に応じて、控除額を削減します。
- 1000万円〜2000万円 10万円の控除削減
- 2000万円以上 20万円の控除削減
該当者は、20万人程度いる見込みだそうです。
現役で2500万円以上稼いでいる人が15万人って言ってたのに…日本の高齢者の方って、全体的にお金持ちですよね。
やっぱり、昔は今ほど社会保障費も引かれていなかったし、高度成長期でお給料もガンガン上がってたし、恵まれてたんですね。
賞与だって3ヶ月分くらいは当たり前にもらえたんでしょう?
今は、額面月給25万円でも手取りは19万円とかになっちゃうし、賞与からも社会保障費が引かれてるし、消費税も上がっています。
頑張って働いて、普通に暮らしていても、どんどん息苦しくなっていきますね。
年収800万円未満のサラリーマンなどは変動なし
年収800万円未満のサラリーマンやパート雇用の方は、基礎控除が10万円増えて、給与所得控除が10万減って、結果的に増減なしです。
また、年収800万円以上であっても、下記の条件に当てはまる方は、増税の対象外となります。
- 22歳以下の子どもがいる
- 要介護3以上の介護を受けている人がいる
- 精神疾患などで特別障害者控除を受けている
共働き世帯がより有利に。世帯年収が850万円の場合
こうして考えると、共働き世帯のほうがリスクヘッジになるということが浮き彫りになってきます。
- 夫の年収850万円+妻が専業主婦(0万円)=合計の世帯収入850万円
- 夫の年収450万円+妻の年収400万円=合計の世帯年収850万円
このうち、今回増税の対象になるのは、1.の世帯の夫のみです。
片働きの夫の稼ぎに頼ることは、今後、大きなリスクになりえます。
2020年の所得税改革に限らず、こういった高額所得者に対しての増税政策は続くことでしょう。
もしかしたら年収800万円どころではなく、その上限は徐々に下がってくる可能性もあります。
減税となるのはフリーランス・個人事業主・自営業など
フリーランスや個人事業主の方は、基礎控除が10万円増額されて、減税となります。
もとから、事業に必要な経費は、確定申告で控除することができるため、税金が「10万円×税率分」安くなります。
- 課税所得195万円以下…税率5%→5000円の減税
- 課税所得195万円以上…税率10%→1万円の減税
- 課税所得330万円以上…税率20%→2万円の減税
- 課税所得695万円以上…税率23%→2万3000円の減税
- 課税所得900万円以上…税率33%→3万3000円の減税
- 課税所得1800万円以上…税率40%→4万円の減税
ただし、前述の通り、課税所得2400万円を超える人は、段階的に基礎控除が減っていき、2500万円でゼロになります。
課税所得が2500万円以上の場合は、逆に増税となります。
働き方の多様化を応援するための改革
誰もが受けられる基礎控除を手厚くするのは、働き方の多様化を後押しするためだそうです。
企業に属する働き方だけでなく、フリーランスや自営業などで働く人に、減税の恩恵が及ぶようにすると。
それでも、きっと当事者からしたら、まだまだサラリーマンの方が手厚いと感じているでしょう。
厚生年金とか、社会保険とか、サラリーマンの方が優遇されてることは多々ありますもんね。
子育て世帯=世帯主だけじゃないのに
ところで、このニュースを見たとき、真っ先に思い出したのがこのつぶやきでした。
私は、子育て世帯の構成員ではありますが、何の税優遇も受けていません。
今回の改革も、私には一切関係ないことです。
だって、子どもを扶養に入れているのは夫だから。
子どもにかかる教育費、食費、日用品、ほとんど私が出しているのに…(って、これは我が家の事情だけど)
もちろん、家庭内の分担と協力の結果そうなったわけだし、夫が負担している住宅ローンや光熱費があってのことなんだけど。
お互い生活費を負担しあっているのに、片方にだけ控除が偏るのは、不公平な気がしちゃいます。
でも、夫の収入は、子ども二人分を扶養しているおかげで控除が受けられていて、私は一切その恩恵を受けていないのです。
同一世帯で、夫が税控除を受けられているのだから、妻に税控除がなくても、世帯として見れば優遇されている、と納得するべきなんだろうけど。
でも、もし、私たちが離婚したら、こうなりますよね?
- 長年、扶養控除を受けて、有利な条件で収入を得てきた夫
- 何の控除もなく、税負担割合の多い状態で働かざるを得なかった妻
こんな状態で離婚したら、スタートラインが大きく異なります。
しかも、多くの場合は、たとえ共働きであっても、妻のほうが家事育児負担も大きいのです。
共働きが当たり前になってきている世の中なのに、子どもを扶養に入れている、夫婦のうちどちらか片方だけが、有利になる制度。
節税・投資・副業で手取り収入をアップさせよう
収入を増やすのは、とても難しいこと。
どれだけ稼いでも、税金として取られる方が多くなってしまったら、働く意欲が失われてしまいます。
収入が多い人に、さらに高い税率を課すことは、社会全体の経済成長を妨げることになりかねません。
一般庶民には関係ないように見えますが、徐々に上限が引き下げられていく可能性を秘めています。
- 節税
- 投資
- 副業
節税しながら投資できる制度として、国は確定拠出年金とNISAをはじめました。
年金制度の先行きが不安だから、国民たちには自力で資産を築いてほしいんですね。
また、多くの企業は従業員に副業禁止の就業規則を設けていますが、それも解禁される方向。
お金に関する知識がなく、税金を取られるがままでは、老後に困ることになりそう。
現代を生き抜くために、できる対策は全て取って、資産形成していきたいですね。
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確定拠出年金なら、掛金が非課税。
給与が所得として渡される前の段階で拠出するイメージです。
一度給与として受け取ってしまったら、その時点で所得税がかかっていますからね。
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