こんにちは。シーアです。(@seer1118b)
仮想通貨の取引所大手のコインチェックにて、不正アクセスの影響で仮想通貨NEMが不正に送金されました。
私にとっては、衝撃のニュースでした。
一方で、「いつかこういうことが起こると思ってた」というような声も聞かれました。
この記事では、コインチェックの事件をきっかけに、投資のリスクを適正に見積もることを考えました。
- セキュリティ対策ができているか、素人には見抜けない
- 犯人が絶対悪いのは変わりない
- 仮想通貨の利益は税制上不利
- 投資はリスクを踏まえて、誰かを責めないでいられる範囲で
コインチェックの不正アクセス事件。仮想通貨NEMが不正送金
一時期は、仮想通貨NEMだけでなく、日本円や他の仮想通貨も含め、すべての出金・売買が停止されていました。
記者会見では、資金の返還は難しく、経営破綻もありうるというような印象…。
その後、被害にあった方に全額補償するという方針が発表されました。
NEMの日本円換算レートが下がっているので、損をしてしまう人もいると思います。
でも、全額返ってこないかも…と思われていた中の朗報なので、素直に喜んでもいいのではないでしょうか。
コインチェックのセキュリティ対策は甘かった
コインチェックは、急成長の一方で、肝心なセキュリティ対策が甘かったと指摘されています。
仮想通貨を管理するためのセキュリティキーは、コールドウォレットが推奨といいます。
完全にインターネット接続から切り離されて、オフラインに保管されるもの。
しかし、実態は、常時ネットワークに接続されているホットウォレットで管理されていたそうです。
また、仮想通貨の送金・受金処理には、複数の電子署名を必要とするマルチシグ(=マルチシグネチャー)が採用されています。
ひとつの暗号が盗まれても、それだけでは仮想通貨を送金することができない仕組みなのです。
でも、コインチェックは、技術者が足りないことを理由に、マルチシグを使っていなかったとのこと。
信頼できるかどうか、一般個人には判断できない
一般のユーザーは、これをどうやって予測できたでしょう?
資産保全がなされていないということは、投資家側からは分かりませんよね。
コインチェックも、ホームページ上では安全なようなことを書いていましたから。
銀行のオンラインバンキングなどは、これでもかというほどセキュリティ強化のために資金投資をしています。
乱数表カードなどを用いたり、パスワードを複数入れさせられたり。
でも、そのおかげで預金が守られているということが、今回のことで身にしみました。
セキュリティ対策は必須でしてほしい
金融庁は、仮想通貨取引業者へ、システムのセキュリティ対策の再確認をするよう注意喚起しています。
これを機に、セキュリティ対策は義務化される方向になるでしょう。
ですが、これまでのように、投資に知識のない人でも気軽に仮想通貨を買うような風潮ではなくなりそう…。
そもそも、日本人は超・無リスク志向。
「仮想通貨って儲かると聞いてたのに、話が違う」「損するなんて怖い。もうやらない」という人が多そうです。
そうなれば、今よりも仮想通貨の価値は下がるはず。
クラッカー(犯人)がいちばん悪い
言うまでもなく、今回このような事件が起きたのは、クラッカーが不正アクセスを行ったせいです。
コインチェックの管理がずさんだったこと、取るべき対策を取っていなかったことは、問題ですし責められるべきです。
でも、クラッカーがいなければ、NEMが盗まれることはありませんでした。
- 店先に置いてある商品の近くに、鍵が置いてあるのが丸見えだったからって、商品を盗んでいい理由にはなりません。
- 電車で女性がスカートを履いているからと言って、痴漢をしていいことにはなりません。
こういうときに、被害者側を責める世論の方が強いのは、日本の(マスコミの?)悪いところだなあと思います。
マスコミも投資家もコインチェックばかり責める
記者会見での質問も、コインチェック側を非難するようなものばかり。
だから、投資者側も「どうしてくれるんだ!」とそちらに怒りをぶつけるようになるのでしょう。
でも、コインチェックを信頼してお金を預けたのは自分だし、コインチェックの役員が私的に資金を流用したわけじゃない。
ホワイトハッカー(味方)が追跡して、盗まれたNEMが換金されないように最善の努力をされているそうです。
取り返すまでは至らなくても、最低でも犯人が得をすることができないようになればいいなと思います。
相場が良いときほど、リスク許容度は厳しめに見ておこう
メディアでも取り上げられた影響で、「投資は怖い」と言っているような人でも「仮想通貨は儲かる」と気軽にチャレンジしていた印象があります。
でも、仮想通貨だけでなく、株式投資・投資信託も基本は同じ。
世界的に株高で、相場が上昇しているときほど、調子に乗って追加投資したくなるのが人間の性です。
でも、これまでの歴史から見ても、好不況は交互にやってくるもの。
安いときに買って高いときに売るのが、投資で利益を得るための鉄則です。
株高のときに買うのは、もともとの値段よりも高くなっている時に買うことになるだけなので、実際には不利なのです。
それよりも、できる範囲を少額でも積立投資しつつ、暴落に備えて無リスク資産(現金)を蓄えておくのが最善の策です。
国策に逆らわず、投資するならNISAやiDeCoが最優先
投資の格言で「国策に逆らうな」という言葉があります。
国策とは、非課税で投資できる、NISA・確定拠出年金(iDeCo)・ふるさと納税などが該当します。
NISAやiDeCoは知らない・知ろうとしないまま、仮想通貨に投資していたとしたら、
逆に、金融庁は、仮想通貨に対して、加熱する市場に警鐘を鳴らしていました。
仮想通貨の利益は、雑所得になるため、株式投資と比べて、利益に対する課税方法が不利です。
累進課税ですし、損益通算もできません。
リスクとリターンは振り子のようなもの
仮想通貨には、見えないリスクがあります。
それをよく知った上で、自分が失ってもかまわないと思える範囲で投資するべきです。
仮想通貨のリスクって、いったいどうやって計算するんだろう。
知識がないから安易には言い切れません。
逆に言うと、誰もやったことがない、過去の実績もそう多くない、ということです。
投資の結果がどうなっても、誰かを責めないでいられるように
ツイッターで、私がフォローさせてもらってる方は、投資に関心がある方が多いので、仮想通貨にもチャレンジしていた方が多くいらっしゃいました。
そういう方は、リスクに対してもよく勉強されて、覚悟の上で投資していたはず。
また、陸マイラーの方は、ポイントサイト経由で仮想通貨の口座を開いたりしていました。
ポイントはもともとあぶく銭なんだから、ちょっとでも増える可能性のある方向に使おうと決めたなら、それも一つの判断です。
リーマンショックから10年がたとうとしています。
仮想通貨だけではなく、すべてにおいて、投資は自己責任で。
関連記事
自分の生活に何かあったときのための「生活防衛資金」を確保しておいて、それ以外の資金で投資をしましょう。
私もまだまだ不十分で、生活防衛資金を貯めながら投資をしています。
だからこそ、リスクは小さめに見積もって手堅く投資しています。